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今回のテーマ「サラリーマンからの脱出」です。

多くの方が、「チャンスがあれば起業したい!」とか「あいつも起業したから俺も!」さらに「こんな会社にいたくないから早く起業!」とお考えかと思います。こうした声は色々なところで聞くことでしょう。
築地銀座BCバーチャルオフィス・貸会議室も例外でなく、そんな脱サラリーマンの方々が多く会員様となっております。
しかし、いままさに脱サラリーマンになろうという方に大きな声でしっかり聞いてみましょう!
「具体的な退職日、もしくは創業の期日は?」
多くの方が、「うーん、3年後ぐらい・・・」「お金が溜まったら・・・」「準備が整ったら」と、もごもごしてしまうでしょう。
実はこれ、私もその経験者でした。はい、まさにこの通りでした。
でもこうして今は(ようやくですが)独立して起業するところまで辿り着きました。
そんな私が、どれだけサラリーマンをやめるのに石橋を叩きまくったか、曖昧なままサラリーマンを続けてしまったか、そこからどうやってシフトアップしてきたか、そんなことをこれからお伝えしていきたいと思います。 では、今回、初の寄稿ですが、最初に何をお伝えしようか、考えてみました。
私がまず、おススメするのは、「会社の飲み会を断ること」です。会社の飲み会を断ることが、なぜ起業、にどうつながっていくのか???
3つの点で、私はこれをお勧めしております。

1つ目は、会社の中の愚痴を言い合うような「甘ったれた環境」もしくは傷を慰め合うような「発見のない環境」から脱出する事ができるからです。でも、どうしてそういったよくない環境から脱出する必要があるのか。それは起業後の孤独な環境に耐えられるか自己診断できるからです。起業したら、「仲間はいなくとも1人でやっていける環境」に身を置けるかどうか、「苦しい状況、苦境になっても1人で立ち向かっていけるか!」といった自分の精神を試すことができるからです。

2つ目は、「起業アイディアの探索」のためです。いつも会う人、いつも通る路、いつもの行く店、これはこれで安心してリラックスできる環境かもしれません。しかし、こうした「いつもの世界」では、新しいアイディアはなかなか降ってこないと思います。仕事では会わない人、異文化、異なる時間に身を置く事を、嫌がらずに、怖がらずに、試していくことです。それが、「自分にはこんな強みがあるんだ」と気付くこともあるでしょう。「世の中には会社以外にもこんな仕事があるのだ」と知ることあるでしょう。そのためにも、「会社と自宅という環境」「会関連中心の人間関係」というルートを外れる必要があるのです。
3つ目は、起業家になると一番大事な「時間」の価値を考え直す機会となるからです。会社の飲み会を断ることで、その時間が空きます。空いた時間で、何か新しい事を始めることもあるでしょう。そうすると、会社の仕事を時間内に終わらせる、飲みに行くとしても目的が明確な飲み会に参加する、ということが出てきます。こうした空いた時間をどう使うか、あるいは空いた時間をどう捻出するか、といったことを繰り返すことで、「時間の価値」に気付くことになります。
起業家に一番大事なリソースは何か?尋ねると、半分以上の方が「時間」と答えると思います。起業すれば、総務、経理、IT、法務、すべてが自分でやることになります。時間はいくらあっても足りないものです。時間の価値をサラリーマン時代に少しでも体感しておきたいものです。

いかがでしょうか。
会社の業務をダラダラと残業してやっている、なんとなく疲れたのでそのまま会社のメンバーと呑みに行っている、長時間無駄に飲み続けて疲れてしまっている、、、
まずは、そういった自分の環境を変えることから始めてみてはいかがでしょうか。

何通か反響を頂きました。「その通り!」という声と、「いやいや一概には…」という反論などもありました。反論の中には、会社の業務からも起業につながる事もある、上司部下など組織内のつながりや難しいことも起業にプラスになる、というお声でした。
私は、サラリーマン時代の経験や実績が無駄になるとは一切思っていません。ただ一つ、お伝えしたかった事は、「いつものルートを外れてみよう」「起業のための時間を作ってみよう」という事でした。
さて、今回もサラリーマンからの脱出の第2弾です。
起業を志した際に、皆さん何から手を付けますか?
起業本を読む、セミナーに参加する、先輩起業家を訪ねる・・・・
色々なアクションがあると思います。
私も、そうでした。「色々と準備をしなくては!」
年上、年下など関係なく、身近な起業家に会いに行き話を聞きました。
起業本や先輩経営者の立志伝など、多数の本を読み漁りました。
ネットメディアも硬軟様々なサイトを、サーフィンしていました。
起業家が登壇するセミナーにも、時間を見てよく通いました。
今回お伝えしたいことは、そういった起業のための「準備」と呼ばれるものは、ほとんど役に立たない!ということです。
え?何がダメなのか。役に立たないのか?
本を読む、セミナーを受ける、ネットメディアを読み漁る、先輩起業家に聞く、、、どれもこれも起業のためには必要な知識だったり、必要なノウハウが知れるのではないか。そうですね、一切無駄だとは言いませんが、起業に向けて前進しているかというと、していない、という言い方が正しいでしょうか。
では、どうして前に進んでいないのか。
大事な点は、「順番が違う」、あるいは「目的と手段が違う」という点です。
私が実体験したので、よく分かるのですが、起業のために行動し始めてからこそ、起業本やセミナー、先輩の話が役に立ってきます。
例えば、具体的にあるマーケットでの新ビジネスを考えていった際に、分からない事があれば本で調べる。自分の事業をPRする方法に困ったから、セミナーの内容だけではなく、セミナーのやり方まで学びに行く。起業のための事業計画書を書いていて煮詰まったから、ネットメディアで先輩の活躍に刺激を受ける。ビジネスプランで具体的に悩んだから、先輩起業家に詳細を具体的に相談する。といった形です。
このように、『行動してからするのが、本当の準備である』
あるいは、『何か具体的に困ってから行うのが、正しい準備である』
と痛感いたしました。起業を決意して、いろいろ準備をしてからやろう!と思いたくなるのは当然だと思います。今までやったことがない事です。構えたくなることでしょう。上司も先輩も教えてくれない。もちろん指示もされない。そして、起業ですから、どこかの誰かが具体的にやり方を知っているわけでもない。そしてサラリーマンの時には「準備が全て」と教わってきたからこそ、たちが悪い。不安だから、最初から聞きたくなる、調べたくなる、頼りたくなる、のですね。
そして、こうした準備活動は、会社の業務とは関係ないので、一見すると「起業のための準備をしている」というように思えてきます。いや!「準備をしている」と安心してしまうのです。「私は起業に向けて頑張っている」と勘違いしてしまうのです。でも、言わずもがな、それではいつまでたっても起業できないことでしょう。何も決めない、何も行動しないでする準備は、はっきり言って無駄です。まずはビジネス構想を紙に書く、つたなくてもビジネスプランをパワーポイントで作ってみる、事業ニーズをリサーチしてみる、などなど、何かを決めてから準備をする。そしてまた行動する、決める、そして準備をする。これが、私が起業するにあたり、一番引っかかってしまった点でした。これからの皆様には同じ轍を踏まないように、との想いと自分が費やした「無駄な準備」への自戒を込めて。
私自身もはまってしまった「準備してから起業する」という罠に陥ること、多くみられる話だと思います。特に、「起業したい」と起業そのものが目的になっている場合は、これにはまりやすいと思います。「何かを成し遂げたい」「これがやりたくてたまらないんだ」という明確な目的を持っていれば、「準備なんてやりながら考えるさ」ぐらいにできるのですが、独立が目的化している場合は、準備に時間をかけたくなるのだと思います。
さて、今回もサラリーマンからの脱出の第3弾です。
起業する際に、多くの先輩起業家が語ります。「私は、この社会問題を解決したい!」
どうしても、この困っている方々に手を差し伸べたかった!という社会貢献型の創業ビジョン・理念。
新たに会社を創るにあたっては、大きなビジョンを持ちたいものです。
ましてや、起業するリスクや、今後の人生をかけて創業するのですから、大きな夢や希望を持って事業を展開したい、と考えるのはよく分かります。
しかし、私自身の経験からすると、この社会貢献型=利他型のビジョンだけを追い求めなくても、起業に進めるのではないか、と考えます。
冷静に考えてみてください。
ベンチャー企業から、一部上場企業になった、あの会社、あの経営者も、創業当時に何を考えていたか・・・
社会貢献型のビジョンや理念は、後付け、もしくは事業を走らせながら当てはめていった可能性があると思うのです。創業者、経営者も創業当時に、そこまで明確な社会貢献を考えてのビジネスを考えていたか、という点は割り引いてみるべきです。

お伝えしたいことは

「社会貢献型=利他のビジョン・理念が完成しなくても、起業はできる」

ということです。例えば
「社長になって稼ぐぞ!」
「起業家となって、自分が注目されたい!」
「一等地に、自社オフィスを持ちたい!」
こういった利己の精神も、完全否定していない、ということです。
純粋に自身の起業に対する、ある面ドライブ(モチベーション)となることは否めないからです。
ただし、これまた利己の精神だけでも起業は難しいとも思います。
何のために起業するのか、起業してまで何を解決していくのか(提供していくのか)はやはり、持っていたいと思うのです。
『マズローの欲求5段階説』という、ヒトの欲求を5段階で示した理論があります。
これによると、より下層(低次)の欲求が満たされると次の階層(高次)の欲求を求める、という法則です。
起業のビジョンや理念もこれと似たような段階があるのではないか、と考えています。
起業当初は、メシが食えるようになりたい、仲間が欲しい、そして社会から認められたい、社会貢献をしたい、と「利己から利他」に広がっていくのではないか、という捉え方です。結論として、起業にあたり利他の精神がないから独立できない、と考え込まなくていいと思うのです。利己は正しく利他に導かれていく、と私は信じております。
私自身も、創業前に美しい「ビジョン」や「理念」などを作る事が必須事項だと思い込んでおりました。ある時、「利己も否定しない考え方」にたどり着き、利他とのバランスや発展を考えながら、こうして事業をさせて頂いております。今回も、自身の反省と自戒を込めて。さて、前回の「起業時に考える“利己”と“利他”」いかがでしたでしょうか?私自身も、はまってしまったお話をしました。
「社会に貢献する!」「社会問題を解決する!」という利他がなければ起業できない、という思考の呪縛です。自己弁護するつもりはないのですが、起業するには「こうでなくては!」とか「こうすべき!」と考え過ぎてしまいました。
私の周囲の起業家にこの話を聞いてみても、同じようなテーマの話題になることがあります。その場でも正解はないと思いますが、私自身の経験から利己と利他についてお伝えしました。さて、今回もサラリーマンからの脱出の第4弾です。起業する前に、是非ともオススメしておきたいことがあります。
自分のビジネスモデルを作る事・・・?
お客様を開拓しておくこと・・・?
事業資金をためておくこと・・・?
はい、それらも大事ですが精神面で、私が最も大事!と思うことがあります。
それは
積極的に「失敗・間違いをする」
ことです。起業を目指す方であれば、サラリーマンとしての本業の仕事は上手くできていることでしょう。上手くとは言えなくても、少なくとも仕事に慣れてはいるはずです。効果的なやり方、成果に結びつく方法、効率的にゴールにたどり着く手段・・・
これらを、知っているはずです。つまり、皆さん、“上手く”仕事が出来る状態なんですね。さらに、先輩や上司がいることで、教えてもらえたり、カバーしてもらえることで大失敗になる可能性は低いはず。つまり、サラリーマン時代は、失敗や間違いを犯す危険性は低い状態なのです。しかし、起業したら、どんな環境・状況でしょうか?
それこそ、失敗や間違いばかり、あるいはその連続です。
知らない世界、誰も導いてくれない環境、そして誰にも頼れない状態・・・
間違いならまだいい方、失敗でもある程度我慢、大失敗も以外と多いのが当たり前。
それが、誰にでも起こる起業直後の姿ではないでしょうか。
ここにギャップがあるのです。
サラリーマン時代の、失敗や間違いを犯す経験が少ない時と同じように、起業してもスムースにいく、と勘違いしてしまわないでしょうか。
思い通りにいかないのが起業です。
そしてその失敗や間違いの連続でも、落ち込んでいる暇はない。
常に新しい気持ちに入れ替えて、失敗からは学んで、次のビジネスを創りにいかなければなりません。
失敗でもお客様へ迷惑がかかっていないならば、勉強代と割り切る。
間違いでも、次はその間違った方法がいつか役立つかもしれない!と切り替える。
これぐらいのスタンスやスピードで、失敗や間違いと付き合っていかなくてはならないでしょう。
だからこそ、起業前にこそ、失敗や間違いに対する「抵抗力」「慣れ」が必要だと思うのです。サラリーマン時代に、効果的にやっている方法を一度外してみる、効率的にできる仕事を、一度面倒なやり方でやってみる、失敗や間違いが起きたらウェルカム!と歓迎する!
そんなマインド、気持ちの持ちよう、そして行動をお勧めいたします。「これぐらい起業したらたいしたことない!もっと大変なんだろうな」
そんな“やんちゃ”な心意気や楽しむ心を持って、起業へ向かっていくと良いのだと思います。

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