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定款に関して・・・・・・よくあるご質問をピックアップ

◎「公告をする方法」って何?どれを選べばいいの?
(ご質問)
会社を設立するときに、定款に「公告をする方法」を書かなければいけませんが、そもそも公告って何ですか?何にすればいいのですか? 皆様はこの質問どうお考えですか?
(回答)
公告とは何かといいますと、要は株主へのお知らせです。代表的なものとしては、毎年決算の報告をしなければいけないことになっています。これをしないと、法律上は100万円以下の罰金となっています。そして「公告をする方法」は3つあります。「官報」「日刊新聞」「ホームページ」です。
まず「官報」は国が平日は毎日発行している広報紙のことですが、なんといっても安いです。決算報告でいうと5万円台です。「日刊新聞」ですと、これにゼロが1つつくぐらいの値段になります。株式上場している会社の決算報告が6月ぐらいに日経新聞にたくさん載ってますが、そういう会社は日経新聞を「公告をする方法」として指定しています。これは費用の問題というよりも、人に見られる可能性の少ない官報よりも、きちんと法律を遵守していますよというのをアピールする意味でも、目立つ日経新聞に載せているだけですので、これから起業する方々にとっては考えなくていい選択肢です。
そして「ホームページ」です。これはまず会社設立登記の時点でアドレスを登記しますので、設立前にアドレスが決まっていないといけません。あとは誰がホームページに公告を載せるのか、ですね。自社でホームページを管理しているのでしたら人件費はかかりませんが、外注している場合は多分官報公告の掲載料金よりも高く費用を請求されると思います。
また、官報・日刊新聞は1回載せたら終わりですが、ホームページの場合法律上5年間掲載する必要があります。大体起業して最初からうまくいっている会社は本当に少ないです。そんな初期の業績の悪い決算書を5年間もホームページに載せて、不特定多数の方に見てもらいたいか?という点も考慮する必要があります。
ですので、個人的には官報が一番無難だと思います。

◎「目的」ってどういうことを書けばいいの?
(ご質問)
会社を設立するときに、定款に「目的」を書かなければいけませんが、何を書いてもいいのでしょうか?法律上の制限などあるのでしょうか?
(回答)
法律上の制約としては、会社設立登記をしたときに審査される3つのポイントがあります。
それは、「適法性」「営利性」「明確性」の3つです。
「適法性」は単純に、犯罪行為のような法律に違反すること、または医療行為などほかの法律で規制されていることを書いてはいけないというルールです。
「営利性」は、収益を上げることを目的に行なうことを書くというルールです。これにひっかかるものとして代表的なものが「政治献金」ですね。
「明確性」ですが、これがちょっとややこしいです。特殊な専門用語や外来語、新しい業種やビジネスを示す単語を使ってはいけないということですが、ではその使っていい単語とそうでない単語の違いはどこにあるのかということがポイントになります。
これはある程度歴史と知名度のある国語辞典や現代用語辞典を参考に判断することになります。具体的には、広辞苑ですとか現代用語の基礎知識ですね。ウィキペディアに書いてある、では多分無理でしょうね。
登記の前に公証人に定款の内容を確認してもらいますが、そこではチェックしてもらえないこともありますので、そうだった場合、定款認証の手数料5万円強を無駄にしてしまいますから、この3つのポイントは注意が必要です。
(実務上の問題その1)
実務上の問題としましては、まずは役所の許可や認可(まとめて「許認可」といいます)が必要となる事業のお話をします。
許認可が必要な場合は必ずその事業を事業内容として入れることになります。そしてどういったフレーズになるかについて、管轄する役所に直接電話するなりして必ず確認してください。それは都道府県によって言葉が変わってくることも珍しくないからです。たとえば建設業ですと、ある県では「建設業」の一言で十分ですが、別のある県は「土木工事の請負」というように建設業の中のさらに細かい分類を求めてきます。ですので、ネットで検索して上位のページに書いてあることを鵜呑みにしないでください。その都道府県ではそうなっているというだけのことです。あとの例としては、「人材派遣業」でよいか、法律と同じ「労働者派遣事業」でなければならないか、といったところです。また、許認可ではありませんが、楽天のようなインターネット上のショッピングモールに出店する場合は「通信販売業」と入れてくることを求められることもあるなど、取引相手の要望などもありますので、要注意です。
(実務上の問題その2)
事業内容の書き方ですが、まず最初やろうとしている事業だけでなく、将来、たとえば今後5年から10年以内にやる可能性のある事業、やろうとしている事業の周辺事業も入れておくことをお勧めします。理由としましては、後から追加する場合、変更登記が必要になって税金3万円負担することになるからです。
ただし、最大で10個ぐらいに止めるのが無難です。多すぎると逆に何をする会社なのかわからず、投資や融資に支障をきたすこともあります。 また1つの事業の記載の中で、広範囲に渡る形の表現にするために「各種」「等」をうまく使ってください。たとえば「各種日用雑貨の販売」「日用雑貨等の販売」といった感じです。ちなみに「日用雑貨」も結構広い意味にとることのできる単語です。
そして、事業内容を箇条書きに列挙していきますが、最後は必ず「前各号に付帯する一切の業務」で締めてください。これも広い範囲をカバーするために必要なフレーズになります。それから事業内容をどう書いていいかわからない場合は、同業他社の登記簿謄本をとってそれを真似するのが一番です。同業他社のホームページに書いてある事業目的は、登記上の目的とは違って載せている会社も少なくありませんので、あまり参考になりません。「コンピュータシステムの設計・構築」と登記簿で書いているのに、HPをみるとかっこよく「ITソリューション業務」なんて書いてあったりします。登記簿謄本を取るとお金がかかるのでいやだという場合は、総務省統計局のHPに日本標準産業分類という、業種の一覧がありますので、その中の4桁の数字で表される「細分類」の表現をそのまま使ってください。これは会社の目的として使用することを認められているものです。

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