HOME > コラム > ㊲ コワーキングスペースとは?part.2

今回のコラムは、これから事業をスタート使用している人、起業をしようとしている方で、そのような経験をしたことがないという方々で、今回コワーキングスペースやシェアオフィス、あるいは弊社のような築地銀座BCバーチャルオフィス・貸会議室を利用して頑張ろうとしている方々へ向けたコラムとなります。
毎月の固定費を低く抑える
起業初心者向けと申し上げましたが、本コラムにて例えば事業家計画書の書き方や助成金の獲得の仕方や申請書についての説明をするつもりはございませんし、起業に興味を持っていらっしゃる方々であれば、その辺りはある程度勉強済みかと思います。インターネット集客が全てと言って、ホームページやウェブサイト、ランディングページから営業無くして案件を獲得して行くような手法をお伝えするつもりもございません。
以前に仕事をしていた職場から、クライアントを引き継いでいて契約書上でも向こう一年以上は契約が維持される見込みがあるような形での起業の方々にもあまり有益な情報にはならないでしょう。
あくまでも、今回が初めての起業で、特に売上が上がる見込みが立っている訳でもないし、でも何かを変えてみたい、自分も何か新しいビジネスを立ち上げてみたい、チャレンジしてみたい、そんな思いを持ってコワーキングスペースやシェアオフィスを利用しようとしている方々にとって有益な読み物となれば良いなと思っています。

お伝えしたい点は二点のみです。

「個人のお金と会社のお金を明確に切り分ける」

「一ヵ月に必要な固定費がいくらかを把握したら、売上が0と想定した際に会社のお金から毎月減って行くと何ヵ月維持できるかを明確にする」

当たり前のことかもしれません。でも、最初に陥りやすい落とし穴だったりします。
と、ここまで書いてみて、思いのほか長くなってしまいましたので、第一回目はコワーキングスペースについての考え方がメインとなってしまいましたが、第二回目はもう少しコストについてのお話をしたいと思います。
コワーキングスペースの激戦区と言われる東京において、どこを利用するかを検討する場合でも、今回のような「そもそもコワーキングスペースって?」という点から実際のオフィスを見てみると、また違った確度から魅力を見つけることが出来るかもしれません。
例えば、コワーキングスペースやシェアオフィスにおいては、もしかしたらいかにして「プライベートなスペースを維持できるか」を大切だとお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、あまりにも周囲との遮断が可能な場合、周りとの関わり合いからより良い環境を作り出す本来のコワーキングスペートのメリットを十二分に得られるのかどうか、考える必要がありませんか?
前回は、コワーキングスペースについてのトピックスだけでお話が終わってしまいましたので、今回は続編となりますコストについての寄稿になります。
コワーキングスペースとそのコストの考え方でも何度か言及しましたが、本コラムは、コワーキングスペースやシェアオフィスを利用して起業したばかり、またはこれから起業をしようとしている人、週末起業を考えている人、等向けの寄稿です。

会社と個人のお金は別
ここで申し上げているのは、税務上の扱いについて正しいこと正しいとお伝えしようとしている訳ではありません。個人的な買い物をして領収書をもらい、それを決算に利用すること、そのものの是非をどうこう言うつもりもありません。お伝えをしようとしていることは至ってシンプルです。
起業したての頃は、自己資金と会社の資本金として積んだお金の境界線が無くなってしまうケースがあります。特に、思った以上にうまく事業の立上げが出来ない場合や、週末起業という形でやっている方々がそのケースに陥ることが多いです。
資本金を1円等で立ち上げて、現金も会社の口座に入っていないような形での起業は、実際の会社の備品やその他、交通費も含め、全て個人口座のお金を使っていることになります。それが絶対に駄目だということではありませんが、どの道、事業のために使う必要があるお金だと分かっているものについては、起業のタイミングで会社のお金として扱い、だんだんと減って行くということを目視できる状態にすることがベストです。立上げのタイミングで売上がなければ、資本金はひたすら目減りをして行くはずですが、それはそれで良いのです。コワーキングスペースを法人として契約しているのであれば、常に法人の口座から支払う。個人で支払っておいて、法人での経費計上ではなく、法人で支払う。結果的には一緒かもしれませんが、起業家の一人として備え付けて行く常識が全く異なるものとなります。
売上0の場合、何ヵ月会社を維持できるか?
上に述べた「会社と個人のお金を別」という点とも関連しますが、結局、大切なのは「売上0の場合、何ヵ月会社を維持できるか?」です。スタートのタイミングで、法人をこれから設立する場合には、もっといえば(最悪、失敗してしまったとしても)「売上が無い形で、何ヵ月会社を維持したいか=挑戦をし続けたいか」です。
これらが分かっていれば、資本金にいくら入れるべきか、という点でも根拠のあるもとなります。とりあえず必要ないなら資本金1円でも良い、ということにはなりません。

携帯電話は会社用を用意するのか?
会社のホームページは作るのか?
ドメイン代は?毎月のサーバー代は?
交通費は毎月いくらかかる?
コワーキングスペースやシェアオフィスの毎月の利用料はいくら?
会社から自分に給料は払う形?払わずに個人の貯金を減らす形?
名刺は作る?請求書等を送る封筒は?
会社設立費用は会社経費?
毎月の経理は外注?顧問料はいくら?
決算費用はどれくらいになりそう?
法人税はいくらか必要になりそうか?

などなどを最初に考えたら、一ヵ月当たりいくらのコストがかかるかが把握できます。少なくとも(一ヵ月当たりに必要なコスト)×(何ヵ月維持したいか)の金額は、資本金として、または会社の資金として明確に切り分けることが望ましいです。

事業の立上げは、頭ではなく行動量
絶対法則ではありません。ただし、事業の立上げは、なんだかんだで行動力(行動量)で解決できることが多いです。「売上が上がらない」と悩んでいても何も解決しませんし、立ち止まって「この状況を打開するために必要な戦略は…」とPCと睨めっこをして何日も過ごしても一向に売上が伸びることは無い場合が多いです。(※クラウドワーキング等でネットから仕事を全て受注しているようなケースは別ですが…)
でも、人間はそういう状況に陥りやすいです。
焦りが出たとき。何をしてよいか分からないとき。心理的プレッシャーがどんどん大きくなって行くとき。人間は思考停止状態に陥って「何もしない」という選択肢を取ってしまうことがあります。そして、それが発生する時というのは「想定外」なことであればあるほど思考停止となります。
だからこそ、最初に計算を出来ることを全て計算しておくのが良いのです。個人のお金と会社のお金を明確に分けて、現在の会社のお金の上限を決める。その上で、細かいコストを計算し、自分が起業をして失敗しても絶対にやりきると決めた期間を乗じた資金を用意し、それが計算通りに毎月目減りして行く状況を法人口座で確認できる形を作るのです。そうすると、全ては想定内で想定外ではなくなります。「後何ヵ月で会社の資金がなくなる。だからここでこれくらいの受注はしなければいけない」という自分自身を甘やかさずに、行動をとり続ける原動力を手に入れることが出来ます。思考停止を避けることが出来る。
最後に長々と書きましたが、なぜこの2つのトピックスを一つのコラムで書いたかを最後に述べて本コラムの締めとさせて頂きます。
起業関連の情報やインターネットのニュースを読むと若手起業家の大成功やとんでもない金額での売却のニュースなどが踊っていて、「自分もああなりたい!」と願って、皆、起業(チャレンジ)をします。でも、多くの人達は、自分の思い描いていたほど人生やビジネスは甘くないということを経験して行くことになり、だんだんと思い描いていた自分に慣れない自分を責め、一人での行動時間が増えて行ってしまう。結果的には、そのような選択がさらに状況を悪化させ、起業家として大切なネットワークを広げることが出来なくなってしまいます。コワーキングスペースやシェアオフィスは、このような状況に陥りやすい人達を成功に導くための手助けをしてくれる場合が多いのです。共同で働く場をシェアし、(意識的に聞きたくないと思っていても)周りの状況が何となく気になってしまったり、別の人の成功が逐一耳に入ってきたり、あるいは自分自身が全く知らないような取組みやノウハウが検討されていたり、等々、刺激を沢山受けることになります。思考停止に入ってしまう前に、そのような刺激が人間を次の行動に駆り立てることになります。人との関わりや人からもらう刺激をコワーキングスペースで確保しながら、自分自身でコスト意識とコスト感覚、コストをカバーするために必要な行動(売上向上施策)とそのトリガーを引くべきタイミングを習得すること。これが、コワーキングスペースやシェアオフィスを利用しながら、これから起業を検討している皆様に是非実践して頂きたいノウハウです。

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