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築地銀座バーチャルオフィス貸会議室の会員様からビジネスプランについて多数ご質問が寄せられます。
そこで、ビジネスプランに関して簡単にお話したいと思います。
ビジネスプランは、開業資金集めや経営していく上での仲間、協力者を集めていくために、とても必要なこと。 銀行への提出や、投資家へのプレゼン、助成金申請など、使える場面が多い。
でも、これはみんななんとなくわかっていて、「ビジネスプランや事業計画書書かなくてはいけないけど。。。忙しくて。。。」と、 ビジネスプラン無しで起業して進める人も中にはいる。が、だいたいいなくなっている。 とても良い相棒(ロジカルな)がいる企業は別だけど。

=わかっていてもなかなか書けないビジネスプラン==

 ビジネスプラン作成は、どこから何を始めたら良いかわからないし時間もない。
でも作らないといけない。これは「絶対に!」である。

 ビジネスプランは、「完璧なモノ」を目指して書いてはダメである。
目指すは、「なんとなくできる」ことにある。どんなに力をいれて作っても、人に見せれば見せるほど変わる。
ビジネスプランはアップデートされていく。ブラッシュアップすることを基本だと考え、まずは着手することだ。そうすれば、「まあまあでスカスカのプラン」が出来るはず。 そこから、ブラッシュアップしていきどんどんアップデートしていけば、精度の高いプランができてくる。
僕も、10年前に作った学生時代のビジネスプランを見ると、ツッコミところ満載だ。ロマンばかり書いてある。


==ロマンを理念やビジョンに変える==

 自分がしたいこと、達成したいこと、地域社会に貢献したい事を、どんどん書いてまとめていく。 そうすることで、「理念」や「ビジョン」が見えてくる。書き方は、適当で良い。とにかくブレストして、出し尽くしたら、企業のWebサイトの「理念」や「会社概要」を覗く。
そこに、良い言葉で理念やビジョンが書かれている。そこから真似る。真似て自分の言葉で構成していく。
 ちなみに、うちの会社の経営理念は、とある女子大学の文化祭のテーマが、会社の考え方に似ていたから使ったし、まとめ方は地元自動車メーカのWebサイトの構成を真似て作った。


==ロマンを3次元に考える==

 理念やビジョンが固まれば(というかなんとなくできれば・・・)、次は事業コンセプトを3次元で考えるお客様(ターゲット)とターゲットが求めているニーズ、そして提供できるサービス(価値)、この3次元がピッタリ当てはまるか考える。
これが、3次元にならないようなら、ロマンのままで辞めといたほうが良い。 すごい戦略を立てる前に、まずはマーケティングの基本から、ビジネスプランを立てる必要がある。


==ロマンからソロバンを弾く==

 あとは、ソロバンを弾く。儲かるのか? いくらで実現できるのか? 
正直、意外とお金がかかる。 そして意外と売れなかったりする。
そう考えると、起業当初の「コスト」意識はとても重要になってくる。 どのようにコストを下げるのか? 売上が上がるまで生存している経営を考えないといけない
起業当初(スタートアップ時期)の、お金の苦労はたくさんある。
まず、設立する時の費用(イニシャルコスト)。そのあとの運営費用(ランニングコスト)。
売上が直ぐに、入ってくるなら良いが、「開発」「営業開拓」、さらには売上の回収が「売掛」なんかになると、どんどんお金が入ってくる時期は後になる。


==最初にお金をかけることは何か?==

業種業態によって最初にお金をかけるところは違う。飲食などのお店を構えて行う商売は、やはり店舗の「立地」や「内装・外装」などにお金をかけたい。でも、これも事業コンセプトにもよる。来て欲しいお客様にもよる。だから、前回の『「ロマン」と「ソロバン」~ビジネスプランの作り方~』に書いた「ロマンを3次元に考える」に考える必要がある。
 
僕が起業した業種は、どちらかというと「コンサルタント」や「プランナー」系統で、よく言われるのが「原価がかからない」「パソコンがあれば仕事できる」な~んて言われます。(アイデアは仕入れ原価0ではなく、学習や経験の仕入原価があるって!! といつも言いたくなるが・・・)
この業種の場合は、初期費用もかけずランニング費用も抑えた経営が可能である。


==タイプ―1:自宅を事務所にする==

 まず最初に言いたいことは、本気でこの職で飯を食っていくなら、「ビジネス」と「プライベート」が分かれた起業を勧める。自宅で、仕事をしていくにしても、完全に「仕事部屋」と「プライベート空間」を分けることができるなら良いが、そうでなく「リビングで・・・」「昼間の子どもが使っていない勉強机で・・・」「仕事空間なのに、プライベートな本や洗濯物が干してある・・・」なんて事になると、とても効率も志も低くなる。  そして、最大のメリットでありデメリットが「お金がかからないこと」である。自宅を仕事空間にするので、出て行くお金は生活の支出とほとんど変わらない。だから、ランニングコストも抑えられて良い。が、ランニングコストがかからないと、人間は怠ける動物で、エンジンがかからない。リスクが全くないと、仕事の能率も落ちるのだ。実際に僕も、一時期は自宅をオフィスにしていたが、徒歩0分の通勤は気分も入れ替わらないし、気づけば昼間でYOUTUBE観てたなんて事もあった。


==タイプ―2:オフィスを借りる==

 起業する人の夢の一つが、「我がお城を持つ」ことでしょう。僕も起業して5年目に自分だけのオフィスを借りて、好き勝手しましたね。「来訪者用のスリッパどうしようか」とか、「壁に何のポスター貼ろうか」とか、「広島で一番ネット回線が早いオフィスにしよう」とか、色々考えられて楽しかったです。お金の事を除けばですが・・・
 きっと、起業当初のスタートアップ時期には、無理だと思うぐらい初期コストもランニングコストもかかりました。まず、「敷金」これは一番痛かった・・・。そして、事務所で必須の機器達(コピー機、デスク、エアコン、など・・・)
 さらに、痛いのが事務所を使っている人数に限らず、かかってくる「電気代」「インターネット・通信料」「新聞等の書籍代」そして「家賃」。 一国一城の主は、大変なんですね。自分でオフィスを借りることは、タイミングが必要ですね。特に少人数で始めるのであれば・・・


==タイプ―3:共同オフィスやシェアオフィスに入居する==

 創業当初ほどこの機能は使える。まず、初期費用がほとんどかからない。施設によっては「コピー機」や「冷暖房」も完備されている。「ネット回線」も使い放題。このあたりの機器は意外と使うのに、初期にかかる費用が莫大である。でも、共同オフィスやシェアオフィスは、この機能がだいたい付いている(というか、ついてないとこはメリットを感じないが・・・)
 僕も、創業から4年間は銀行が運営する「インキュベーション施設」に入居していた。インキュベーションとは「孵化器」のような意味で、起業家の卵を育てて、食っていけるように孵化させることが目的とした施設。このインキュベーションでの出来ごとは、また次回以降でお伝えしますが、「コスト」も抑えられ、「情報」が集まり、「仲間」もできた、良き施設でした。
 最近では「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」などが当たり前になってきたが、僕が起業した10年前には、あまり聞かない言葉でした。これは、現在の新しい起業のスタイルなんでしょうね。

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