HOME > コラム > ㉗『会議室にいる!困った人対策シリーズ』3

会議をしていて困るケースのひとつに、同じ話を何度も何度も話す人がいる場合です。
同じ話を何度もされると、周りの人が「また始まった・・・」と思い、会議に臨む士気が低下します。また、同じ人が同じ話をしているだけなので、無駄な時間が増える事になります。逆に言えば、ひとりひとりが適度に発言しあえる会議の場であれば、会議はとても盛り上がります。
さて、どうしたら話の長い人を傷つける事なく、話を止めてもらえるのでしょうか?
その手順は、以下の3つの手順で行います。
① 結論部分を反復してあげる
② 承認する
③ 他の人に意見をふる
では、今ご紹介した3つの手順を具体的に見ていきましょう。

●手順1 
結論部分を反復してあげる
長い話を聞いていると、聞き手側としては論点がわからなくなります。
「この人の言いたい結論ってなんだろう?よくわからないぞ」と、なります。
そんな時、こちらから推測する結論を伝えてみましょう。
伝え方の例は、次の通りです。
「○○さん、ありがとうございます。○○さんがおっしゃりたいのは、×××という事ですか?」
もし、それで合っているようであれば、相手は「そうです」と言ってくれますし、違うようであれば、「いや、私が言いたいのは・・・」と言い直してくれます。
ここでポイントがふたつあります。
ひとつ目のポイントは、こちらから推測する結論は合っていなくて構いません。
話を何度も話す人は、自分でも何を話しているのかよくわからなくなる事があります。
ですから、こちらが推測できた結論を相手伝える事で、相手は「ああ、今みたいに話すとこんな風に受け止められるのか。じゃあ、今度はこう話そう」と修正ができるのです。ふたつ目のポイントは、推測できた結論を伝える時、あまり手短に伝えない事です。
相手が一生懸命長い時間をかけて話していた事を、わずか5秒でまとめて話されると、相手は少し気分を悪くし、以後、会議に非協力的な態度をしてくる事があります。
●手順2 
承認する
話が長い人は、その多くが自分の意見を認めてほしいという欲求があります。
だから、猛烈なアピールとして話が長くなってしまうのです。
ですから、長い話に対して「手短に話してもらえませんか?」のような事を伝えると、相手は「私の話なんて、どうでもいいんだな・・・」とショックを受けてしまいます。
なので、最善の対策として相手の意見にあまりいい部分がなくても、可能な限りいい部分を承認します。
具体的には、「おっしゃる通り、その部分はきちんと考えないといけないですね。さすが大事な所を押さえていらっしゃる」という感じがいいでしょう。
このように承認してあげる事で、「私の意見が役に立った」と精神的に満たされます。
精神的に満たされると必要以上に自分をアピールしなくなりますので、長く話をする事も徐々に減ってきますので、承認は絶対に必要な働きかけです。
●手順3 
他の人に意見をふる
手順1と2は、「あなたの意見はちゃんと聞いていますし、たしかに重要ですよね!」という、発言が長い人に対して満足感を与える働きかけでした。
手順3では、会議をスムーズに運ぶよう他の人に意見をふり、同じ人に発言が集中しないようにしてあげる事です。そのために、「では、他の意見はいかがでしょうか?△△さん、何かありますか?」のような形で、これまで発言が多くなかった人に意見を求めると効果的です。こちらの方で指名して意見を求めないと、また先ほどの話が長かった人が話し始める可能性がありますので、注意が必要です。
●話を中断させる小技
長い話を止める場合、以下の2つの小技も有効です。
①時計を見る
話が長い人がぎりぎり気づく程度に、腕時計をチラッと見ます。案外高い確率で「あっ、手短にまとめますね」と自ら言ってくれます。ただし、あまりあからさまに時計を見ると、いやみになるので気を付けて下さい。 ②ものを落とす
ノートなど、音が鳴りやすい小物を机から落とすのも有効です。
比較的大きな音のおかげで話が中断し、うまく話の切れ目ができます。それにより話が長い人は、自ら自分の話のまとめに入ってくれる事が多いです。
●まとめ
話が長い人の話が長い一番の理由は、「もっと自分を認めてほしい」という欲求です。
ですから、それを満たしてあげるような進行を行うと、徐々に相手の話は適切な長さになっていきます。
具体的な対策の手順は、下記の通りでした。
① 結論部を反復してみる
相手が話している結論と思われる部分を、推測して手短にまとめてみます。この時、手短にまとめすぎない事も注意点でした。
② 承認する
相手の発言内容について、「それは大事な事ですよね!」と、承認をする。承認により、発言者は精神的な満足を得ます。
③ 他の人に意見をふる
発言がまだ少ない人に、発言を促してあげます。
以上のように、話が長い方に対しても尊重するような対応をして、誰も傷つかず楽しい議論の場になると、会議は非常に活性化します。
どうぞ、お試し下さい。

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