HOME > コラム > ㉘『上手な議事次第の作り方』2

会議では議事次第があるかないか質が大きく違ってきます。
今回も引き続き、上手な議事次第の作り方を中心に明記いたします。

●会議は、司会者の腕だけではうまくいきません
会議というものは、会議の司会者(ファシリテーター)の力だけでは何ともならない部分が多いです。事前の設計がきちんとしていないと、司会者もどこに向かって会議を進行させていいのかがわからないからです。 逆に、議事次第がしっかりとしていれば、多少司会者がうまくなくても会議は成功します。 今回お話した、『目的』、『目標』、『話し合うテーマ』について、次回以降、ひとつずつ詳しく説明をしてまいります。 ●『目的』がない会議を、社員はどう思っているのか? 
企業研修の際、会議の現状について受講者に話を聞くと、「会議は参加してみるまで、何を話し合うのかがわからない」という企業が多いようです。とある40名規模の企業では、毎月、『定例会議』を行っていました。しかし、その定例会議では、何が話し合われるか、参加者は出席するまでわからなかったのです。そして、会議も話し合いというよりも経営者の訓示で終わっていました。
 その企業の社員さんに、「定例会議で思い浮かぶイメージは何ですか?」と、無記名アンケートをとったところ、「時間の無駄」と回答した人が、7割くらいいました。
経営者も、その結果に驚き、「何とかしなければ!」と思ってもらうきっかけになりました。
●『目的』がない会議はどうなるか? 
目的がない会議を行うと、社員は、「この忙しいときに、また意味無く呼ぶんだから……」と、ほぼ確実に思っています。そんな気分で参加をしているので、会議の効率は決してよくありません。 
会議は参加者の時間を拘束します。
本来ならば、営業に行けた時間を割いてまで、みんなを集めるのですから、参加者のやる気を高めなければもったいないのです。
  逆に、目的が明示されている会議では、参加者は、なぜ自分が会議に呼ばれるのかがわかるので、納得をした心境で会議に参加できるのです。
●『目的』の欄で書くこと 
議事次第に書く『目的』には、「何のために集まってもらうか?」を、『背景』と一緒に書くことです。 
書き方の具体例としては、『去年の12月は、前年同月の売上を下回ってしまいました。
今月は、前年同月以上の売上を目指したいと思います。
そこで、売上を向上させるためのよい方法を検討します』というように書きます。
 『目的』は、大ざっぱに会議で話し合うことを書いているだけなので、参加者には、まだ曖昧にしか会議の内容が伝わっていません。
そこで、『目標』や『話し合うテーマ』についても議事次第に書き入れ、会議のイメージを参加者に伝えていきます。
『目標』や『話し合うテーマ』の書き方については、次回以降で解説をしてまいります。
●『目的』と『目標』の違いはどこ? 
前回は、議事次第に書く『目的』についてお話をいたしましたが、今回は『目標』についてお話をいたします。最初にですが、『目的』と『目標』の違いはどこにあるかご存じですか? 
単純に言えば、『目的』は「長期間でのゴール」を指し、会議が終わってから数ヶ月から数年先のあるべき姿を参加者に示します。 
では、『目標』は何かと言いますと、「この会議が終わったときに、出ていなくてはならない結論」を言います。大抵は、『目的』を達成するための具体的な手段ということになります。
●『目標』がない会議はどうなるか? 
ほとんどの企業の会議には、「目標」がありません。
目標がない会議をすると、時間が許す限り話し合うことになり、しかも「何を?」、「どこまで?」話し合えばいいのかというゴールがないので、たいていは話し合うだけで何も結論がでないというケースが多く見られます。 サッカーでたとえると、『ゴールがどこにあるのかわからない状態』でプレーをさせられる気分になります。試合が始まっても、ボールをどこに蹴ればいいのかわからず、とりあえずボールを取り合ったり、パスをだしたりと、みんなの体力が切れるまで試合をする感じになってしまいます。 
そうした会議に参加者とした人たちは、「今日はたくさん話し合ったけど、中身はなかったね」という気分になってしまいます。
 もちろん、「アイデアを出し合う会議」は、アイデアを出し合うだけでもいいのですが、毎回、アイデアを出すだけの会議になってしまうと、メリハリがなくなります。 
●『目標』を書くメリット 会議に目標があると、参加者全員が、「今日の会議では、何をゴールにして話せばいいのか?」が明確にわかります。
サッカーでたとえるなら、『ゴールがどこにあるかわかる状態』でサッカーができるため、「どうしたらゴールを決められるか?」と、参加者全員が同じ気持ちになって話し合いができ、会議の内容が首尾一貫し、知恵を競い合うゲームのようになり、全員が参加できる会議となります。 
●『目標』の書き方 さて、『目標』はどのように書くのが効果的でしょうか?
それは、数値を入れながらできるだけ具体的なものをつくるようにしてください。
たとえば、次のように書いてみると効果的でしょう。 
『前年の同月に比べて10%以上売上を伸ばすために、具体的な方策を1つ以上考える』 
このように、『10%以上』や『1つ以上』など、数値が入っていると、より何を話せばいいかが明確になり、参加者は話し合いをしやすくなります。 

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