HOME > コラム > ㉙『上手な議事次第の作り方』3

会議では議事次第があるかないか質が大きく違ってきます。
今回は最終回、上手な議事次第の作り方を中心に明記いたします。

●『話し合うテーマ』とは? 議事次第には、『話し合うテーマ』を書くことが必要です。
『話し合うテーマ』とは何かと言いますと、前回ご説明しました『目標』を達成するために話し合う、具体的な課題のことを言います。 
たとえば会議の『目標』が、「前年の同月に比べて、10%以上売上を伸ばすために、具体的な方策を1つ以上考える」とあった場合、「売上向上を阻害している要因は何か?」、「何をしたら売上が上がるか?」、「お客様からは、商品に対してどんな声が寄せられているか?」など、“様々な角度からの検討課題”のことを、話し合うテーマと言います。 
●『話し合うテーマ』がない会議はどうなるか? 
話し合うテーマ』を決めないで会議を行うと、困ることが3つ出てきます。
その困ることのひとつ目は、『会議が脱線すること』です。どんな内容で話していいか、具体的にわからないと、会議は高い確率で脱線してしまいます。 困ることのふたつ目は、『議論がダレること』です。話し合うテーマが決まっていないと、つい、同じ話を繰り返すだけになり、とても単調な会議になります。なので、「ま、いいか」的な結論になり、あまり深まった議論ができません。 困ることのみっつ目は、『話し合いの内容が浅くなること』です。最初から話し合うテーマを決めていれば、様々な角度で、ひとつの課題を検討できるのですが、それがないと、つい、なんとなくな話し合いになってしまい、欠点のある結論を得てしまう場合があります。
●『話し合うテーマ』の書き方
議事次第には、上から、第2回でお話した『目的』、第3回でお話した『目標』
そして次に、『話し合うテーマ』を書きます。 
書き方としましては全然難しくありません。
箇条書きで、『① ××について』、『② △△について』と書けばいいでしょう。
場合によっては、各テーマの横に、話し合う時間も書いておけば、会議を時間内で終わらせるのにも有効です。1回から4回までお伝えしたことを、すべてを一気に実行できなくても、できるところから試していただくのでも構いません。今よりも、より有意義な会議をしていただければと思います。
●参加者に、今のままでいいかを尋ねる
「議事次第の通りに会議が進んでいないなー」と感じたら、話のキリがいいところ
で、「あっちょっといいですか。今の話し合いの内容は、議事次第に書かれていることから、
ちょっと外れてしまっているようですが、このまま続けますか?
それとも、議事次第の通りに戻しますか?」と、会議の参加者に尋ねて下さい。
議事次第通りに話し合った方がいい場合もありますし、そうでない場合もあります。
その判断は、参加者に委ねるのがベターな選択です。
結局会議というものは、参加者が納得しないと何を決めてもあまり意味がないので、
まずは参加者の意思を尊重することが大事になってきます。
●議事次第の意味とは?
「議事次第と外れたことを話し合ってもいいなら、議事次第なんていらないんじゃない?」
と言われることもあります。
しかし、そんなことはありません。
議事次第で書いた話し合いのテーマは、今日話し合うことの“基準”です。
この基準よりも大事な議題があれば、当然、大事な方を話し合う方がいいでしょう。
逆に、“基準”である議事次第を作らなければ、その日の気分で話し合う内容が決まり、本当に話し合わなければならないことを話さないままになってしまいます。
ですから、大事なことから話し合うためにも、まずは議事次第を作ることが大事になるのです。
そうした意味で、議事次第に書いたことが話し合われなくても、それはそれで意味があるのです。
ですから、「議事次第をつくっても、その通りに進まないし」という杞憂は捨てて、 議事次第をつくってもらえたらと思います。

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